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便潜血陽性
小腸から大腸肛門までのいずれかの部位からの出血と考えられ、まずは大腸カメラ検査を行うことが必要です。胃からの出血の場合は、血液が胃酸などにより変性するため潜血反応が陽性になりません。
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血便
大腸とりわけ肛門に近い部位からの出血である可能性が高く、正常便に血液が付着している場合は直腸・肛門近くの病変が考えられます。それに対し便自体が赤黒い場合はやや奥の大腸の病変が考えられます。多量であれば胃・十二指腸の上部消化管からの出血の可能性もあります。腹痛や発熱が全くなく、全身状態が良好な時は大腸カメラ検査が必要です。
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便秘
慢性便秘症や過敏性腸症候群の便秘型とすぐに決めつけず、便秘の経過(経時的変化)にも気を付ける必要があります。
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下痢
急性の経過であればウイルス性・細菌性の急性胃腸炎が、慢性の経過であれば過敏性腸症候群などの可能性が高くなります。下痢の原因は多岐にわたりますので、下痢の他にどのような症状があるかを参考にします。
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吐き気
下痢を伴っていないときには腹部の病気以外に、脳神経系の病気や副甲状腺機能異常の可能性も検討します。薬剤性の可能性や、女性の場合は妊娠の可能性も忘れないことは重要です。
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体重減少
誘因もなく短期間に体重の5%以上減少した場合は病的な原因が潜んでいる可能性があります。腹部に限定せず、全身の検査が必要となる場合もあります。
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胸やけ
まずは逆流性食道炎であるか検討します。胃カメラ検査が必要です。逆流性食道炎の患者さんは非常に多く、当クリニックホームページの診療案内もご参考下さい。
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胃もたれ・食後膨満感・心窩部灼熱感
慢性的で3か月以上続いている場合には、胃酸過多、胃の蠕動異常が原因とされる機能性ディスペプシアの可能性があります。それでも胃・十二指腸潰瘍をはじめとする器質的な病気ではないのか、一度は胃カメラを行う必要があります。
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お腹にガスが溜まる
大腸とりわけ肛門に近い部位からの出血である可能性が高く、正常便に血液が付着している場合は直腸・肛門近くの病変が考えられます。それに対し便自体が赤黒い場合はやや奥の大腸の病変が考えられます。多量であれば胃・十二指腸の上部消化管からの出血の可能性もあります。腹痛や発熱が全くなく、全身状態が良好な時は大腸カメラ検査が必要です。
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胃痛
「胃痛」は胃潰瘍などの胃の病気以外に、上腹部の痛みというだけで実は胃以外の病気が原因である可能性もあります。肝・胆・膵・小腸・大腸の病気以外に、心臓の病気である可能性もあります。なお、虫垂炎のはじめの症状が上腹部のみぞおちの痛みである場合もあります。いきなり胃カメラ検査を行うのではなく、まずはどの臓器が痛みの原因であるのか見当をつけることが必要です。胃が原因である可能性が高いと考えた場合に初めて胃カメラ検査が必要となります。
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腹痛
急性胃腸炎、消化性潰瘍、膵炎などの内科的な対症療法が優先される病気から、腸閉塞、ヘルニア、虫垂炎、大腸憩室炎、胆のう炎、胆管炎、腸間膜動脈血栓症、腸管穿孔など外科的な治療を検討すべき病気まで様々な原因があります。症状に応じて触診、採血検査、レントゲン検査、超音波検査などを行います。痛みが強いから怖い病気とは限らず、また痛みが軽いので心配のない病気とも限りません。意外に触診が重要で、遠隔診療に最も適さない領域かもしれません。